2016年1月28日木曜日

「陶芸Ⅴ−6 産地研究/信楽」


昨年、 京都のキャンパスを離れ学外で開催された「陶芸Ⅴ−6 産地研究/信楽」のスクーリングをご紹介させて頂きます。
 このスクーリングは、滋賀県信楽町にある滋賀県立陶芸の森を会場として7月初旬に開催されました。スクーリング冒頭に特別講師である神崎継春先生によるデモンストレーションを見て信楽焼の伝統技法を学びます。その後、信楽の窯元や作家の工房を見学し制作する作品のイメージを高めてから作品を制作します。完成した作品は9月下旬に京都造形芸術大学の付属施設である黒田村アートヴィレッジにある穴窯で焼成し、10月に窯出をました。

神崎継春先生によるデモンストレーション
















窯元である「丸滋」で機械ロクロによる
器の制作風景を見学


















特別講師である神崎継春先生の工房で
茶碗の制作風景を見学。


















高橋楽斎先生の工房で登窯と蛇窯の
説明を受ける。
































充分、イメージが高まったところで滋賀県立陶芸の森のスタジオで制作します。
3日間のスクーリングで制作した作品は、京都造形芸術大学の付属施設である黒田村アートヴィレッジにおいて通信教育部と通学部の合同で穴窯を焼成します。



















灯油バーナーによる「あぶり焼成」の後、松薪を燃料に合計3日間交代で焼成します。穴窯で焼成された作品は釉を掛けなくても薪が燃えた灰に含まれる石灰分と土に含まれる珪酸分が高温で反応し自然釉と呼ばれる釉になります。































焼成も終盤にかかったころ、花入れをひとつだけ自然釉の青を際立たせるため鉄の棒を使って1,300℃以上の窯の中から作品を引き出し急冷します。














  

窯出しされた作品。
















 
スイッチを入れれば温度があがる電気窯とは違い、穴窯は薪を燃料に焼成するので投入する薪の量、投入するタイミング、薪が燃焼するために必要な空気の量の全てがうまく合わないと温度は上昇しません。手間隙はかかりますが、穴窯でしか得られない表情の作品制作を学んでいただけたと思います。










(西村)